肥田式強健術はナワリズムにおける集合点の移動に、非常に有効な瞑想法である。まず丹田の中心に意識を置くことにより、ナワリズムの裂け目（意志の噴出するところ）に集合点を置くことを意識することになる。呼気とともに肉体的緊張により中心に向けて圧迫することにより無念無想になり集合点を移動することになる。しばらくすると集合点がその位置に固定されてくるので、その新しい連合に伴いエネルギーが発生する。そして吸気とともにそのエネルギーを活力の中心に上昇させてためることができる。最近は肥田式強健術を20回程度やれば必ずエネルギーを感じるようになったが、それは集合点が高められた位置、すなわちエネルギーを感じられる位置に移っているからだと思う。肥田春充先生は肥田式強健術をやると丹田に神殿ができて天と合一すると述べられているが、それはナワリズムでいう沈黙の知の位置であると思われる。高められた位置から沈黙の知に移動するには、その間に憐れみのない点という集合に位置を通らなければならない。憐れみのない点になると意志が目に表れ目が輝き出す。そして目を使って意志を使い集合点を動かすことが可能になる。肥田春充先生も瞳孔不睨（どうこうふげい）という丹田の中に目を置く修行法を述べられている。

夜、目が覚めて2:00頃に、立ち姿勢で肥田式強健術を30回ほどやる。充分にエネルギーを感じて活力の中心にエネルギーをためた後、寝姿勢になって肥田式強健術を持続する。ただ寝姿勢では目の焦点を意志に注ぎ続けることに重点を置いて瞑想する。そして実際に意志の上に目がのっているような感じになりその状態で瞑想を続ける。しばらくして部分離脱からなんとか意志の力を利用して、部屋の中で完全離脱をする。ただ目だけがはっきり見えないので、見ることに集中して隣の部屋に行き、また戻ってくると、目が見えるようになった。全体的にうす暗くてところどころ物がぼんやりと見えるような感じである。ドアから外から出ようとしたが途中でやめて、窓から飛び降りて別世界に行こうとする。５階だったので少し躊躇したが窓に飛び込む。体が半分くらい飛び出したが、結局そのまま肉体に戻されて終了してしまう。

 

夜２度寝時の２時頃、立ち姿勢で肥田式強健術を30回ほど行う。注意するのは目の輝きに集中するという事と呼吸である。目と意志は密接につながってるので、目のなかの輝きに集中することにより意志に近づいている感覚がある。そして吸気で丹田に発生したエネルギーを上昇させることによって、エネルギーが活力の中心にたまっていく感覚がある。次に寝姿勢になって肥田式強健術を継続する。目の輝きと呼吸に集中することは継続して、それにプラスして体の上で幽体があぐらの姿勢で瞑想しているのをイメージする。イメージというのは想起（集合点を移動）して、それに忍び寄る（集合点を固定する）ということである。これにより第2の注意力（エネルギー体）を意図して、エネルギー体にエネルギーを移動する効果がある。しばらくして部屋の中で幽体であぐらの姿勢で浮いているのを確認する。幽体が不安定だったが忍び寄る（集合点を幽体の位置に固定する）のを意図して安定する。そして意識の輝きをエネルギー体に絡ませようと手を見ながら何度も「はっきりと」と唱えるが、変化はなく肉体に戻される。しばらく肉体にいてトイレに行きたかったが肉体に戻っても再離脱することが多かったのでそのままの姿勢でじっとしていると、再度あぐらの姿勢で幽体が離脱する。また手を見ながら「はっきりと」と唱えるが変化なく肉体に戻され終了する。