2012年10月28日 (日)

肥田式強健術とチベット密教

肥田春充氏は41才で、聖中心を会得してから、その後生涯にわたって何度も同じような神秘体験をしているが、腰腹間に中心を定めると、思考が停止(無我の境地)して、大活力と大歓喜を得て、世界が光輝くというのが、それらの体験に共通している。歓喜と光明という神秘体験は、チベット密教で具体的に解説されている。チベット密教では、丹田でチャンダリーの火を活性化させ、ルン(気)に乗せ中央脈管を上下させることで、”倶生の大楽”と呼ばれる快楽を得られ、チャンダリーの火を頭頂まで上昇させると、頭頂に上がった火は清涼な月液に変化して、”光明”と呼ばれる内的な光が見えるようになるとされている。肥田氏が晩年で、透視などの超能力をを発現するようになったのは、この神秘体験を繰り返したからであろうと思われるが、肥田氏自身は、この中心を定めて得られる大歓喜の前ではそうした超能力も、一切くだらないものだとしている。